ロイヤリティー

ちょうどその時期に、
ある大企業の九州ブロックの会社から仕事が入った。
東京での最初の打ち合わせに行ったら、
会議室いっぱいに二十人近くの人がいて、
テーブルを囲んでいた。
ぼくには何をやっている人なのか
全くわからない人もたくさんいたが、
スーツを着た立派な人たちが熱い議論を交わしている。
とても大きな仕事で、なんだか大変そうだなあと
その議論をぼんやりと聞きながら考えていた。
しかしこういう大きい仕事は、
こちらがどういうものを描こうとか考えなくてよく、
企画からモチーフからタッチから
すべてその立派な人たちが決めていて、
まるでベルトコンベアーで流れていくように
仕事が流れていった。

そこでは宣伝広告のためのキャラクターを描き、
相当のギャラも頂いたのだが、
後日、販売促進のためのノベルティーグッズに
そのキャラクターが使われることになり、
キャラクター使用契約を結ぶことになった。
言われるがままにサインをしたら、
その後季節が変わるごとに振り込みがあり、
そのロイヤリティーは、
実際にぼくが描いたキャラクターのギャラの
何倍にもなった。

イラスト:久保誠二郎 文:石川勝己




久保さんへの質問募集!!

いつもLucky!の
ご愛読ありがとうございます。
読者の方々に久保さんに対する
質問を募集します。
仕事に関する事からプライベート、
またはこんなお題について語ってほしい!
ということまで
みなさんの興味のあることを
おしえてください。

応募はこちらから


バックナンバー