そこはポン引き、ホームレス、
ヤクザ、スリなどの溜まり場で、
酔っぱらい同士のケンカや、
いいがかりのような苦情の対応に追われる毎日。
怖い思いをしながらも、
なんとか踏みとどまっていたのだが、
同僚がチンピラに絡まれて刺された次の日に、
あわてて退職を願い出たのだった。
二度目の東京での生活も思うようにはいかず、
福岡に舞い戻ることになった。
悶々とした日々を過ごすなかでふと思い立って、
以前お世話になった専門学校時代の先生を訪ねた。
今の状況を話すと、
大学の教授をしておられる先生の旦那さんが、
青山にあるデザイン事務所を紹介して下さった。
ずいぶん回り道をしたが、
22歳にしてやっと
デザインの現場に立てることになった。
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