フリーランス
結局状況はまったく好転することなく、
青木さんのアシスタントとしての仕事と、
自分の仕事との両立がさらに
難しくなってきた。
しかし、青木さんの監視の目は厳しく、
仕事中には自分のイラストは描けない。
お互いイライラしっぱなしで、
ついにつまらないことがきっかけで言い合いとなり、
売り言葉に買い言葉でバイトを辞めることになった。
本当にイラストレーターとして
やっていけるのだろうかという不安も
無いわけではなかったが、
その頃はこれまでの青木さんとの仕事のお陰で
イラストの依頼は引きも切らずあったし、
なんとかなるだろうと高をくくっていた。
とにかく、一日を自分のためだけに使えると思うと
楽しくて仕方がなかった。
アルバイトなんかせずにイラストだけで食べていける、
ぼくもやっと独立できたんだと得意満面だった。
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