サン・アド

ヒロミチ・ナカノの仕事が一段落つくと、
また以前のように暇になった。
相変わらずイラストの仕事は
無いに等しく、日がな一日ぷらぷらして
親からの仕送りを食いつぶす毎日。

そんなぼくの状況を知ってか知らずか、
青木さんは、自分の勤める会社、サン・アドで
アシスタントをやらないかと持ちかけてきた。
いい歳して親に食わせてもらっているということに
罪悪感のようなものを感じていたこともあって、
一日一万円のこのアルバイトに飛びついた。



バイトを始めた最初の頃は、
明らかに社員の人たちから、
こいつ誰?というような目で見られていた。
あとで聞けば、これまでサンアドではアルバイトを雇う
という前例がなかったらしく、
不審に思われても無理はない。
なんとなくいたたまれなくて、
「いいんですか」と聞くと、
青木さんは「会社で雇ったんじゃない。
俺が俺専属のアシスタントとして雇ったんだ」と
こともなげに言った。


イラスト:久保誠二郎 文:石川勝己



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